室内楽特有とテクニックがあるかということについて、私などがコメントできる立場にはありません。ただし、一般的な条件として次のようなことがいえると思います。
弦楽四重奏とピアノの音量を比べた場合、大きな音については弦楽四重奏は87フォン位、ピアノが90フォン位まで出るのでしょうか?ピークをとればピアノが大きいことははっきりしていると思いますが音域も発音方法も違いますから、大きな音の領域ではあまり問題は起きないと思います。大きな音量のパートについては、ピアノは遠慮なく弾くべきだと思います。ただし、古典派の時代のピアノは現代のピアノと違うという点は考慮に入れるべきでしょう。
しかしながら、小さな音という面では、55フォン以下の音を弦楽四重奏では表情域として良く使用しております。しかしながら一般のピアニストにとって、55フォン以下の音量域は、音が鳴らないかもしれないというリスクをかけたアブナイ世界です。
従って、弱音の領域でのピアノの音のコントロールという問題がフォーカスされるという点は室内楽特有の問題だと思います。
次に、ペダルの使用についても注意事項があると思います。弦楽四重奏は純粋で透明な音を基本にしていますから、音楽的な必要性以外でペダルを使用することは慎むべきだと思います。
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