室内楽を演奏するための特別な新しいテクニックがあるわけではないと思います。しかし、種々のテクニックのなかでどのようなことに重点が置かれるかについては分野によって濃淡があると思います。 従って練習時間が有限であることを考えれば、やはり室内楽特有のテクニックがあることになります。
例えば、ダブルフラジオレット、連続する10度などはまず必要ではありませんが、その代わり連続する長7 度、増8度(短9度?)のダブルは必要なこともあります。(難しいテクニックの例です)
絶対確実な音程を確保するために、ファーストポジションを中心に徹底的にさらっておく必要があります。(コンチェルトなどをさらっていると、このようなところに時間を割く余裕などなくなります。 しかし、透明感のある和音を響かせるためには、このような練習が必須であることは明らかです)
基本的には下記のような点について、コンチェルトを弾く場合やオーケストラを弾く場合よりも正確な演奏能力が、初期の段階からクローズアップされてくるということだと思います。
基礎をしっかりといえば、それでおしまいですが、室内楽を演奏するにつれて基礎というものが、非常に奥が深く、かつ演奏の質を決定するものだということが分かってきます。
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