伴奏というのは主旋律が絶対的優位をしめる場合にそれを補助するために作られたパートまたは演奏のことです。 主旋律を補助するために作られたパートが徐々に発展し、十分な表現力を持ち、ついに主旋律の概念自体が、従って伴奏という概念も消滅してしまっているのが室内楽だと思います。
Let’s Begin のパートですから、ご説明させていただきます。
ピアノの入った室内楽でのピアノの役割を考えるということは、ピアノに弦楽器の機能を追加した場合にどのような曲をあなたが創造するだろうかという問題に帰着します。 ピアノは弦楽器を支える場合もあれば、弦楽器がピアノを支える場合もあります、双方が競い合う場合もあります。決して、ピアノコンチェルトの縮小版とは考えないでください。 また、伴奏という概念を持たないでください。一件伴奏のように見えるフレーズをいかに音楽的に、主体的に弾くかというのことは、室内楽を演奏する大きな喜びの一つです。 音量のことについて一言付け加えますと、弦楽器との室内楽だから音量を控えめにということはありません。ただし音量の幅はおおいに必要です。 弱音で歌う弦楽器をサポートするためのピアノの音量はやはり小さくなければなりません。 和音が厚くても言い訳になりません。
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